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水道水を沸騰させる効果とは?沸騰時間や安全性についても解説
2025.01.30

「水道水は、安全性に不安がある…」
「水道水はカルキ臭があって飲みにくい」
これらの対策として「水道水を沸騰させれば安心して飲める」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
では、実際に水道水を沸騰させることで安全に飲めるのでしょうか?
今回は、水道水を沸騰させることの効果や具体的な方法について解説します。
目次
水道水は沸騰させなくても安心して飲める
日本の水道水は、厳格な水質基準により管理されているため、そのまま飲んでも安全です。
日本では水道法第4条に基づく「51項目の水質基準」と「27項目の水質管理目標」を必ず守らなければなりません。
病原菌を防ぐ塩素の濃度は、WHOのガイドラインでは5mg/Lと定められています。
一方で、日本では塩素の濃度が、WHOのガイドラインを大きく下回る1mg/L以下で実施されているため、健康への影響はありません。
このように、日本の水道水は世界でも最高レベルの安全性が確保されているのです。
※参考:
水質基準項目 | 水源・水質 | 東京都水道局
水質管理目標設定項目 | 水源・水質 | 東京都水道局
塩素消毒 | 水源・水質 | 東京都水道局
含まれている塩素は人体に影響しない
日本の水道水は塩素が微量であるため、人体に対して影響はありません。
ただし、微量でも病原菌に対しては強い消毒効果を発揮します。
※参考:水質<水道水の安全性・その他> | よくある質問 | 東京都水道局
塩素とは?
塩素について補足します。
なお、ここでは化学的な意味合いではなく、水道水に含まれる塩素について解説します。
塩素は、塩水の電気分解によって作られる物質で、強い殺菌力をもちます。
また、塩素は水道水中に留まることで消毒効果を維持し、雑菌の繁殖を抑えます。
水道水のトリハロメタン基準
水道水に対して不安に感じられる物質として「トリハロメタン」というものがあります。
「トリハロメタンには発がん性がある」と聞いて、不安に感じる方もいるでしょう。
しかし、日本の水道水は、総トリハロメタンの基準値を0.1mg/L以下と定めており、厳格な安全管理をおこなっています。
これは、生涯にわたって水道水を飲み続けても健康に影響が出ないよう設定された基準値です。
※参考:
あんぜん・あんしん水質指標 | 水源・水質 | 東京都水道局
水質<水道水の安全性・その他> | よくある質問 | 東京都水道局
トリハロメタンとは?
トリハロメタンは、水道水の消毒過程で塩素と水中の有機物質が化学反応して生成される物質です。
安全な水を供給するために必要な消毒処理の過程で、避けられない副産物として発生します。
具体的には、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類が主要なトリハロメタンとして知られており、これらの総量を「総トリハロメタン」と呼びます。
水道水を沸騰させるメリットとは?
日本の水道水は、そのまま飲んでも安全です。
とは言え、水道水を沸騰させることによるメリットがないわけではありません。
たとえば、下記のメリットがあります。
- カルキ臭がなくなり飲みやすくなる
- トリハロメタンをほぼ除去できる
- 抵抗力の弱い赤ちゃんに安心して飲ませられる
水道水を沸騰させることでこれらのメリットを得られる理由について解説します。
カルキ臭がなくなり飲みやすくなる
水道水を沸騰させることで、カルキ臭が消え、お水が飲みやすくなります。
水道水の消毒に使われる塩素は、プールの水のような独特なカルキ臭が残ってしまいます。
この残留塩素は微量ではあるものの、人によっては気になってしまう方もいるでしょう。
しかし、水道水を沸騰させることで水に含まれる残留塩素が蒸発し、カルキ臭がなくなります。
トリハロメタンをほぼ除去できる
トリハロメタンは熱によって気化しやすい性質をもっているので、水道水を沸騰させるとトリハロメタンをほぼ除去できます。
東京水道局の公式Webサイトにおいても、トリハロメタンの除去方法として、煮沸が紹介されています。
家庭で簡単にできるトリハロメタンの除去方法は、①5分程度煮沸する
ただし、沸騰後は雑菌が繁殖しやすいので、早めに飲み切るようにしましょう。
抵抗力の弱い赤ちゃんに安心して飲ませられる
日本の水道水は安全性が高いため、赤ちゃんへそのまま与えても問題はありません。
しかし、赤ちゃんは大人に比べて抵抗力が弱く、身体の器官も未発達であるため、より慎重な配慮が必要です。
水道水を沸騰させることで塩素やトリハロメタンの除去に加えて、殺菌効果も得られます。
これにより、赤ちゃんに安全なお水を与えられます。
また、子どもの体にいい飲み物について、下記の記事で解説していますので、そちらも参考にしてください。
子どもの体にいい飲み物とは?おすすめの飲み物とNGな飲み物
水道水を沸騰させて飲む正しい方法
水道水を沸騰させて飲む場合には、正しい手順に従ってください。
沸騰方法を誤ってしまうと、水質が悪くなってしまう恐れがあります。
以下で2つの注意点を解説します。
水道水の沸騰時間は5分以下だと危険
水道水の沸騰は、10分以上おこなってください。
水道水に含まれるトリハロメタンは、水温が上昇するにつれて増加するという性質をもっています。
そのため、短時間の加熱では逆効果となる可能性があるのです。
水道水をケトルで沸騰させる場合は3~4回
電気ケトルで水道水を沸騰させる場合は、沸騰と蒸らしを3~4回繰り返します。
電気ケトルは連続して沸騰させ続けることができないため、断続的な加熱が必要です。
具体的な方法は、下記のとおりです。
- 水道水をケトルを使って沸騰させる
- 一度沸騰したら蓋を開けて蒸気を逃がす
- 再度沸騰させる
- 1~3の工程を3~4回繰り返す
上記の方法で、電気ケトルを使用した場合でも、安全な飲み水を得られます。
水道水を沸騰させたら安全に飲める?
水道水を沸騰させることで、残留塩素やトリハロメタンを除去できます。
しかし、水道水を沸騰させることで100%の安全な水になるとは言い切れません。
その理由として、下記の3つがあります。
- 腐りやすくなるため早めに飲み切る必要がある
- すべての菌が除去できるわけではない
- 貯水タンクや水道管に問題がある場合に注意
これらのリスクが発生する理由について、以下で解説します。
これらのリスクが気になる場合には、ウォーターサーバーの導入もおすすめです。 |
腐りやすくなるため早めに飲み切る必要がある
沸騰させた水道水は、塩素が除去されることによって雑菌が繁殖しやすくなります。
そのため、できるだけ早く飲み切ることが大切です。
沸騰後、すぐに使い切れない場合は、清潔な容器に入れて冷蔵保存をしておきましょう。
ただし、冷蔵保存した場合でも、その日のうちに使い切ることをおすすめします。
すべての菌が除去できるわけではない
水道水を沸騰させても、水より沸点が高い不純物は完全には除去できません。
沸騰による除去効果は、水より沸点が低い物質に限られます。
具体的には、アルミニウムや鉛などの金属類、クロロ酢酸などの有機化合物は、沸騰させても除去することが難しい物質です。
これらの濃度は人体に影響を及ぼすほどではありませんが、より安全な水を求める場合は、沸騰させる以外の方法を検討しましょう。
貯水タンクや水道管に問題がある場合に注意
水道水に錆が混入していたり、異常な色や臭いがあったりする場合には、貯水タンクや水道管に問題がある可能性があり、沸騰させても安全とは限りません。
水道水自体の品質が厳重に管理されていても、建物の設備に起因する問題は沸騰させることで除去はできないのです。
色、風味、水の出具合に異常を感じたら、管理会社や水道局へ連絡をしてください。
沸騰以外で水をおいしく飲む方法
水道水を沸騰させることで、安全でおいしい水を飲むことができます。
しかし、水を飲むたびに沸騰させることに手間を感じてしまう方もいるでしょう。
そのような場合には、別の方法を試してみてください。
以下でいくつかの方法を紹介します。
冷蔵庫で10~15℃に冷やして飲む
水道水を冷蔵庫で適度に冷やすことで、より水をおいしく飲むことができます。
人は、体温よりも20~25℃低い温度の水を最もおいしく感じる傾向があるためです。
具体的には、夏場は7~10℃、冬場は12~15℃が理想的な温度とされています。
ただし、冷やしすぎてしまうと水本来のまろやかさが損なわれてしまうので、注意してください。
炭を入れて飲む
水道水に炭を入れて一晩置くことで、塩素の風味を除去し、よりまろやかな味わいの水を楽しむことができます。
炭には塩素を吸着する性質があり、同時にミネラルを溶出する効果も期待できるためです。※
具体的には、水道水1リットルに対して炭100グラムの割合で入れると良いです。
さらに、一晩寝かせることで、カルキ臭さが軽減され、ミネラル豊富な水に変化します。
※参考:日本特用林産振興会
レモン汁を入れる
コップ一杯の水道水にレモン汁を1~4滴加えることで、すっきりとした飲みやすい水になります。
レモンに含まれるビタミンCが水道水中の酸化物質を除去する効果があるためです。※
市販のレモン汁でも同様の効果が得られるので、手軽に実践できます。
※参考:三重県|公営企業
水を購入して飲む
おいしい水を飲むために、ペットボトルの水を購入するといった手軽な方法もあります。
なお、市販の水は、主にナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーターの4種類に分けられます。
これらは、それぞれに原水や処理方法が異なりますので、下記を参考にしてください。
ナチュラルウォーター | |
原水 | 特定水源で採水された地下水 |
処理方法 | 沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的かつ化学的な処理をおこなっていない |
ナチュラルミネラルウォーター | |
原水 | 特定水源で採水された地下水 |
処理方法 | ナチュラルウォーターのうち地層中の無機塩類が溶解したもの |
ミネラルウォーター | |
原水 | ナチュラルミネラルウォーターを原水としている |
処理方法 | 沈殿・ろ過・加熱殺菌のほかに複数のナチュラルミネラルウォーターを混合したりミネラル分の調整をしたりしている |
ボトルドウォーター | |
原水 | 上記3つ以外を指すもの |
処理方法 | 処理方法の限定はない |
浄水器を取り付ける
浄水器を設置することで、手間をかけずにおいしい水を飲むことができます。
浄水器には、塩素やトリハロメタンなどの不純物を低減させる効果があるためです。
定期的にカートリッジを交換することで、効果を維持できます。
ウォーターサーバーを設置する
ウォーターサーバーを設置することで、手軽にいつでも安全でおいしい水を楽しむことができます。
多くのウォーターサーバー会社では、水の品質にこだわった厳選された天然水を提供しています。
なお、リセットタイムの水は、下記のこだわりがあります。
- 非加熱の天然水
- 体に優しい弱アルカリ性の水
- 徹底した品質管理
- 定期的な水質検査の実施
手軽に安全でおいしい水を楽しむのであれば、ウォーターサーバーをおすすめします。
水道水をより安心して飲むなら沸騰を試してみましょう
本記事で解説したように、日本の水道水は安全性が徹底されています。
しかし、カルキ臭が残るなどの問題もあるので、よりおいしく水を飲むために、沸騰させる方法を試してみてください。
ただし、下記の点には注意しましょう。
- 5分以下の沸騰
- 沸騰させた水の長期保存
これらを守っていただくことで、沸騰させた水を安全においしく楽しめます。
水の安全性・おいしさを求めるならリセットタイムがおすすめ
水の安全性とおいしさにこだわるのであれば、リセットタイムのウォーターサーバーがおすすめです。
リセットタイムは、おいしさと安全性にこだわった水を提供しています。
- 体に優しい弱アルカリ性
- 日本人の味覚に合う軟水
- クリーンルームで外気に触れることのない充填体制
- モンドセレクションの360°品質評価にて金賞を受賞
- ろ過除菌のみの完全非加熱
- PFAS検査・放射能検査を定期的に実施
- 硝酸態窒素が不検出
手軽においしく安全な水を楽しめますので、ぜひ導入をご検討ください。

執筆監修
有馬 直之主任
2018年より無添加・オーガニック・健康に拘った天然水を追い求め、天然水法人営業担当として活動。全国の天然水を飲み比べ、よりよい安心安全な天然水の情報をお客様にお届けするために奔走。現在、アクアソムリエの資格を目指し奮闘中。